Invasion Block

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 Invasionは、五年越しで続いた”ウェザーライト・サーガ”を締めくくる壮大な侵略戦争を描いたエキスパンションです。これまでのセットで何度もその名前と姿だけが登場したGerrard、Sissay、Hannaといったレジェンドたちが登場し、そして散っていきました。またこのセットは、長引いた単色デッキ偏向とM:tGに漂う閉塞ムードをうち破るためにデザインされた派手な多色カードが多数収録されており、新規プレイヤーの人気を勝ち取ることに成功しました。

●ブロック特有のルール
●ブロックの特徴
●有名なカード

●ブロック特有のルール

 Invasionブロックに共通する特殊なルールは、以下の通りです。

・Kicker(キッカー)

 Kickerは、その呪文をプレイするときに追加でコストを支払うことにより、追加の効果を得ることができる能力です。Kicker (kickerコスト)の書式で表されます。
 Kickerはクリーチャー呪文にも設定されていることがあります。Kicker持ちのクリーチャーがKicker能力を発揮するのは呪文としてプレイしkickerコストを支払った場合のみで、墓地からリアニメイトするなど呪文でない手段で場に出た場合にはKickerを使うことができません。

 Kickerは全体的に重いものが多いのですが、多色がテーマのInvasionブロックらしくカードの色とは違う色マナのkickerコストを要求されるものも多く、デッキ構築を考えさせられます。
 Shivan Emissary/シヴの使者(IN)やJilt/偽り(AP)のように、本来その色にそぐわない効果をKickerによって賦与されているものもあり、プロテクションをくぐりぬけるなどの思わぬ効果もあったりします。

・Split card(分割カード)

 Split card画像です。まだ見たことのない人は、見てください。多分、びっくりすると思います。
 Split cardには、2枚のカードが並べて印刷されています。プレイするときは、そのどちらかのカードとして、コストを支払ってプレイします。両方のコストを支払って両方ともプレイする、なんてことはできません。
 呪文としてスタックの上にある間は、Split cardはキャストしたプレイヤーが選んだ方の呪文として扱われます。たとえば、Fire+Ice/火+氷(AP)は赤と青のSplit cardですが、Fireとしてプレイされた場合は赤の呪文としてスタックに乗るため、Red Elemental Blast/赤霊破(基本版)ではカウンターできません。
 手札にある場合やライブラリにある場合は、Split cardはその両方のカードとして扱います。たとえば相手の手札にFire+Ice/火+氷(AP)がある場合、Persecute/迫害(US)で赤を指定しても青を指定しても捨てさせることができます。


●ブロックの特徴

・強引な多色化傾向
 強力なアーティファクトが勢揃いしたUrza's SagaブロックRishadan Port/リシャーダの港(MM)が猛威を振るったMercadian Masquesブロックと、M:tGは長きに渡って単色有利の時代にありました。Invasionブロックにはその停滞ムードを打破すべくデザインされた多数の多色推奨カードが収録されています。Invasionでは友好2色が、Planeshiftでは友好3色が、そして最強エキスパンションと名高いApocalypseでは対抗色がテーマとされ、それに関連したカードが数多くリリースされました。
 マルチカラーの強力なカードはもちろん、"Domain"(領地)カードと呼ばれた、『基本地形を多種類コントロールしていると有利になる』カード群があざといほどに多色化を推進しました。
 この"Domain"カードはとくに限定構築環境では猛威を振るい、そのまま『ドメイン』という名の5色デッキを生み出しました。

・パーミッションの隆盛
 長らくCounterspell/対抗呪文(基本版)の次席カウンター欠員に悩まされていたパーミッションデッキでしたが、Invasionの登場によってAbsorb/吸収Undermine/蝕みという非常に使いでのある確定カウンターを手に入れます。そして、Fact or Fiction/嘘か真か(IN)が青の手札補充能力を暴力的なまでに高めた結果、……ミルストーリーと呼ばれる、涙が出るほど古典的なノンクリーチャーのパーミッションデッキが復活しました。
 そしてFact or Fiction/嘘か真か(IN)の存在はOdysseyブロックの登場後も環境を支配し続け、悪夢の最強デッキ・サイカトグの覇道へとつながっていくのでした。


●有名なカード

○Fact or Fiction/嘘か真か(IN)
 (3)(U) インスタント
 あなたのライブラリーのカードを一番上から5枚見せる。対戦相手1人はそのカードを2つの山に分ける。1つの山をあなたの手札に加え、残りをあなたの墓地に置く。

Invasion最強――というより、Ancestral Recallをのぞくすべてのドロー呪文の中でも最強のカードです。Invasionには、同様に"X or Y"というカード名を持つカードが多数収録されており、そのどれもが、「あるカードの集合を任意に2つのグループに分け、対戦相手がどちらかを選び、選んだ方だけに効果が適用される」、というものです。が、なぜかこの呪文だけ対戦相手が2つに分けて自分が選ぶのです。枚数だけで言えば絶対に3枚以上手札が増えることになります。また、見せた5枚の中に欲しいカードがあれば必ず手札に入れられることになります。あまつさえ、墓地も爆発的に肥えることになります。Classic環境で制限カードに指定されたのもうなずけるところです。

 

○Urza's Rage/ウルザの激怒(IN)
 (2)(R) インスタント
 Kicker−(8)(R)
 Urza's Rageは、呪文や能力によっては打ち消されない。
 クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。Urza's Rageは、それに3点のダメージを与える。あなたがkickerコストを支払った場合、代わりに、Urza's Rageは、それに10点のダメージを与え、そのダメージは軽減できない。

 火力の基本ダメージが2点に引き下げられた当時の環境において、レアで登場しド派手なKicker能力までついたおかげで殺人的なシングル価格のついたカード。カウンターされない3点ダメージだけでも充分に強力ですが、真におそるべきは一発で勝負を決してしまうそのKicker能力です。MM-IN環境の当時、青のデッキがやや赤に分が悪かったのは、このカードのせいもあるのかもしれません。

 

○Fires of Yavimaya/ヤヴィマヤの火(IN)
 (1)(R)(G) エンチャント(場)
 あなたがコントロールするクリーチャーはhasteを持つ。
 Fires of Yavimayaを生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。

・パーミッションが盛り返したと前述しましたが、それでも、MM-IN環境下のスタンダードを支配したのはFiresと呼ばれるビートダウンデッキでした。そのFiresの核となったのがこのカードです。赤緑のクリーチャーバーン、と聞くとステロイドを連想するかもしれませんが、8枚のマナクリーチャーで重コストのクリーチャーをまるで火力のように叩きつけるFiresは、ステロイドというよりはTinkerデッキに近い思想で構築されています。特にSaproling Burst/はじける子嚢(NE)のトークンのhaste突進は強烈でした。

 

○Flametongue Kavu/火炎舌のカヴー(PS)
 (3)(R) クリーチャー−Kavu 4/2
 Flametongue Kavuが場に出たとき、クリーチャー1体を対象とし、Flametongue Kavuはそれに4点のダメージを与える。

・アドバンテージに手足が生えて火を吹いているようなクリーチャーです。なにしろ、これを出せば相手のクリーチャーは1体減って、自分の軍勢にはパワー4というハードパンチャーが加わるのです。このクリーチャーの出現により、赤緑のクリーチャーバーンデッキの突進力は暴力的に高まりました。不幸なことに色マナが1つであったため、赤を含んだほとんどすべてのデッキにこのクリーチャーは投入され、クリーチャーデッキ対戦ではFlametongue Kavuをたくさん引いた方が勝つという図式すら出来上がってしまいました。晩年ではサイカトグにすらこのクリーチャーが採用されていたのです!

 

○Meddling Mage/翻弄する魔道士(PS)
 (W)(U) クリーチャー−Wizard 2/2
 Meddling Mageが場に出るに際し、土地でないカード名を1つ指定する。
 指定されたカードはプレイできない。

・インヴィテイショナルで作られたカードの中でも、おそらく最もよく使われているカードでしょう。モデルとなったクリス=ピキュラの名で親しまれ、その軽量さと能力の強烈さで、特にコンボデッキに対し脅威となっているカードです。当時のスタンダードでは相手の全体除去呪文を封じる使い方が一般的でしたが、むしろExtendedやClassicなどの環境の方がその影響力は高まるでしょう。

 

○Pernicious Deed/破滅的な行為(AP)
 (1)(B)(G) エンチャント(場)
 (X), Pernicious Deedを生け贄に捧げる:点数で見たマナ・コストがX以下のアーティファクトとクリーチャーとエンチャントを、すべて破壊する。

・敵対色というコンセプトでデザインされたApocalypseには、「敵対色はデッキで使いにくいから無茶に強くしても大丈夫だろう」という考え方の下にデザインされた(としか思えない)強力な多色カードが多数収録されていますが、その中でもPernicious Deedは最も影響力の大きな1枚でした。だれでもNevinyrral's Disk/ネビニラルの円盤(基本版)を連想する効果ですが、Pernicious Deedはその偉大な先輩よりも勝っているのです。まず1マナ軽い3マナで出せること。次のターンのアンタップを待たずにすぐ起動できること。そして、やり方次第では残したいパーマネントだけ残せること。黒緑という色も、Invasionブロックで強化された多色地形のおかげでまったく問題なく運用され、このカードは普通に黒緑のデッキに投入された他、青が基調のカウンターデッキや、赤を混ぜた手札破壊中心の攻撃的なコントロールデッキ、はては黒混じりのステロイドのサイドボードにも投入されました。

 

○Caves of Koilos/コイロスの洞窟(AP)
 土地
 (T):あなたのマナ・プールに無色のマナ1点を加える。
 (T):あなたのマナ・プールに(W)か(B)を加える。Caves of Koilosはあなたに1点のダメージを与える。
○Llanowar Wastes/ラノワールの荒原(AP)
 土地
 (T):あなたのマナ・プールに無色のマナ1点を加える。
 (T):あなたのマナ・プールに(B)か(G)を加える。Llanowar Wastesはあなたに1点のダメージを与える。
○Yavimaya Coast/ヤヴィマヤの沿岸(AP)
 土地
 (T):あなたのマナ・プールに無色のマナ1点を加える。
 (T):あなたのマナ・プールに(U)か(G)を加える。Yavimaya Coastはあなたに1点のダメージを与える。
○Shivan Reef/シヴの浅瀬(AP)
 土地
 (T):あなたのマナ・プールに無色のマナ1点を加える。
 (T):あなたのマナ・プールに(U)か(R)を加える。Shivan Reefはあなたに1点のダメージを与える。
○Battlefield Forge/戦場の鍛冶屋(AP)
 土地
 (T):あなたのマナ・プールに無色のマナ1点を加える。
 (T):あなたのマナ・プールに(W)か(R)を加える。Battlefield Forgeはあなたに1点のダメージを与える。

・見ての通りの敵対色ペインランド。Ice Ageで登場したそれと、まったく変わりません。Tempestのあれはなんだったんだと、集めてしまった人が激怒しそうですね。もちろんApocalypse全体が敵対色をテーマにデザインされているため、敵対色の多色地形はきわめて重要です。しかし、「敵対色はデッキで使いにくいから無茶に強くしても大丈夫だろう」という考え方なら、こういう便利すぎる土地は作らない方がよかったのでは? とも思ってしまいます。

 

○Fire+Ice/火+氷(AP)
Fire (1)(R) インスタント
 任意の数のクリーチャーかプレイヤー(それらの組み合わせでもよい)を対象とする。Fireは合計2点のダメージを、それらにあなたが望むように振り分けて与える。
Ice (1)(U) インスタント
 対象のパーマネント1つをタップする。
 カードを1枚引く。

Split cardはきわめて便利なものがそろっていますが、中でもこのカードは飛び抜けて便利です。便利さだけならM:tG史上最高かもしれません。多くの場合、Iceの方を使って相手の土地かなにかをタップし、ドローに変えてしまいます。相手が細かいクリーチャーを出してきたときだけ、火力として働きます。2点では焼けない巨大クリーチャーであれば、やはりタップして1ターンごまかしつつ、ドローに変えます。つまりこのカードは、どんなときにも無駄にならないという希有なカードなのです。赤と青を使うデッキであれば、なにも考えずに4枚入れても絶対に損をしないカードです。

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