Odyssey Block

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 Odysseyは、伝説の秘宝Mirariをめぐる闘いを描いた新しいストーリィの幕開けです。このブロックでは「墓地」と「カードを捨てること」の意味がかつてないほどに高められ、結果としてカード単体のコストパフォーマンスがM:tG史上最高のブロックとなりました。コモンに優秀なカードが多いのも嬉しいところです。

●ブロック特有のルール
●ブロックの特徴
●有名なカード

●ブロック特有のルール

 Odysseyブロックに登場する特殊なルールは、以下の通りです。

・Flashback(フラッシュバック)

 Flashbackは、墓地にあるソーサリーカードやインスタントカードを再利用できる能力です。
 Flashback (flashbackコスト)で表されます。
 Flashbackを持つソーサリーやインスタントが墓地にあるときは、そのflashbackコストを支払うことによってその呪文をプレイできます。Flashbackした呪文は、解決されたり打ち消されたりしてスタックから別の場所に移動するとき、かわりにゲームから取り除かれます(ですからたとえばFlashbackした呪文をMemory Lapse/記憶の欠落(HL)で打ち消した場合、その呪文はライブラリの一番上に置かれることなくゲームから取り除かれます)。
 それ以外は、手札からプレイするときとまったく同じです。Flashbackを持つソーサリーであればソーサリーがプレイできるときにしかプレイできません。

 本来は「同じ呪文を二度使える」のがコンセプトであると思われますが、Roar of the Wurm/ワームの咆哮(OD)のように、本来のマナコストよりもflashbackコストが軽いものもあります。なんらかの手段で墓地に落としてから低いコストでプレイするといったギミックもあります。

・Threshold(スレッショルド)

 Thresholdというのは”閾”のことで、そこを踏み越えるとなにかしらちがうものが現れる、その境界を意味します。
 プレイヤーの墓地に7枚以上のカードがある場合、そのプレイヤーはThreshold状態になっています。パーマネントが持つThreshold表記の能力は、そのコントローラーがThreshold状態のときにのみ適用されます。
 たとえばWerebear/熊人間(OD)は、”Threshold――Werebearは+3/+3の修正を受ける”を持っています。Werebear/熊人間(OD)のコントローラーの墓地に7枚以上カードがある場合、Werebear/熊人間(OD)は+3/+3の修正を受けます。
 また、呪文にもThreshold表記を持つものがあり、その呪文のコントローラーがThreshold状態になっている場合、Threshold表記の効果もまた発揮されます。

・Madness(マッドネス)

 MadnessTormentにのみ収録されている能力で、Madness (madnessコスト)という書式で表されます。Madnessは、呪文が手札から捨てられたときに、それを墓地に置くかわりにプレイできるという能力です。M:tG史上最もわかりにくいルールと呼ばれているので、注意してください。

 Madnessを持つ呪文カードを手札から捨てた場合、そのプレイヤーは、そのカードを墓地に置くかわりにゲームから一時的に取り除くことができます。これを俗に”Madness宣言”と呼びます。

 Madness宣言した場合、そのMadnessカードがゲームから取り除かれている間にいつでも、そのプレイヤーはそのカードのmadnessコストを支払うことによってそのカードをプレイできます。Madnessによるプレイは、もともとのそのカードがクリーチャーカードであろうがソーサリーであろうがインスタントタイミングでスタックに乗せることができます。あとは、普通の呪文と同じように解決します。

 そのプレイヤーがMadnessによるプレイを行わずに優先権をパスした場合、Madness宣言されたカードは墓地に置かれます。

 Madness呪文は総じて本来よりも爆発的にコストが引き下げられており、さらに、相手の手札破壊呪文によって捨てようが自分のパーマネントの起動コストで捨てようがMadnessプレイできるため、文字通り”狂った”コストパフォーマンスを生み出しました。FlashbackMadness、そして後述のIncarnationを組み合わせて誕生したのが、Odysseyブロックの芸術とも呼ばれるUG-Madnessと呼ばれるデッキです。


●ブロックの特徴

・墓地の過剰活用
 前述の特有ルールの項を見ればわかるとおり、Odysseyブロックは墓地が非常に重要なエキスパンションとなっています。もちろん、墓地を操作したり除去したりするカードも豊富に含まれており、「墓地は第二の手札」であるとさえ言えます。
 Judgementで登場したIncarnationというタイプのクリーチャーは、墓地にあるだけでまるでエンチャント(場)のように強力な継続効果や起動型能力をもたらすカードであり、墓地の重要性を究極まで高めました。

・ディスカードエンジンの重要性
 強力なMadness呪文やFlashback呪文の存在により、カードを捨てることによってなんらかの効果を得られるパーマネントが重要性を帯びてきます。特に、なにげなく7版に再録されていたMerfolk Looter/マーフォークの物あさり(EX)がTormentの登場と同時に脚光を浴びたのは印象深いところです。

・サイドボードの革命
 Judgementで登場した、ゲームの外からカードを持ってくるWishシリーズは、デッキのありかたを一変させました。”銀の弾丸”と呼び慣わされる、特定の相手に対して強烈な効果をあげるカードが1枚ずつサイドボードに投入され、それをWishで持ってくるというスタイルがあらゆる色のデッキで定着したのです。


●有名なカード

○Wild Mongrel/野生の雑種犬(OD)
 (1)(G) クリーチャー−Hound 2/2
 あなたの手札からカードを1枚捨てる:Wild Mongrelはターン終了時まで、+1/+1の修正を受けるとともにあなたが選んだ1色の色になる。

 M:tG史上最強の”くま”(2マナ2/2クリーチャーのこと)と称讃されたクリーチャーです。マナコスト無しに増強できる点はもとより、Odysseyブロックのすべてのギミックとの絶望的な相性の良さ、さらにはオマケに見える色変化の能力さえ、黒の除去をかわし、プロテクションを無視し、防御円をくぐりぬけとやりたい放題。

 

○Psychatog/サイカトグ(OD)
 (1)(U)(B) クリーチャー−Atog 1/2
 
あなたの手札からカードを1枚捨てる:Psychatogはターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。
 あなたの墓地にあるカードを2枚ゲームから取り除く:Psychatogはターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 最強クリーチャーのもう一翼。手札2枚で+3/+3の増強という計算になり、ドローを補助しながら高速でライブラリを掘り進む青デッキのスタイルと組み合わせることによって一瞬で致死量のサイズに膨れあがります。ミーニャーたんのお兄ちゃんや学校の先生などとして、オンラインマスコットでも最も人気のあるクリーチャーです。

 

○Upheaval/激動(OD)
 (4)(U)(U) ソーサリー
 すべてのパーマネントをそのオーナーの手札に戻す。

 無慈悲なまでに強烈なリセット呪文です。過去、青デッキは青であるが故に対処できないパーマネントを通されて押し切られることもありましたが、今やその心配もありません。このカードがすべてを解決します。かつてZuran Orb(IA) + Balance/天秤(基本版) + Titania's Song/ティタニアの歌(AQ)という問答無用のリセットコンボが存在しましたが、充分にマナを確保した上でのUpheaval/激動(OD)はこれを1枚で実現します。

 

○Call of the Herd/獣群の呼び声(OD)
 (2)(G) ソーサリー
 3/3の緑のElephantクリーチャー・トークン1つを場に出す。
 Flashback (3)(G)

 Flashback呪文というのはつまり1枚の手札が2枚分というアドバンテージの塊であるわけですが、その代表格がこれです。1枚のカードからクリーチャーが2体。特筆すべきはそのコストの軽さ。一般的なFlashback呪文は、再利用可能であるがゆえに1回分のコストパフォーマンスが悪く設定されているものですが、このカードはいたってまともです。

 

○Roar of the Wurm/ワームの咆哮(OD)
 (6)(G) ソーサリー
 6/6の緑のWurmクリーチャー・トークン1つを場に出す。
 Flashback (3)(G)

 こちらは、わざと墓地に落としてFlashbackする呪文の代表格(というか、そんなことをするのはこのカードだけですが)。なにせ4マナで6/6ですから、その効率は驚異的です。青緑デッキでは手札を失わずに4マナ6/6戦力を追加できたりと、強烈なカードです。

 

○Circular Logic/堂々巡り(TO)
 (2)(U) インスタント
 呪文1つを対象とする。そのコントローラーがあなたの墓地にあるカード1枚につき(1)を支払わない限り、その呪文を打ち消す。
 Madness (U)

 強力なMadness呪文にはクリーチャーや火力などがありますが、やはりカウンターのインパクトが最も大きいでしょう。その効果故に序盤は役に立たない局面もありますが、ディスカードエンジンが回れば、1マナで手札を失わずにカウンターできるという狂ったコストパフォーマンスさえ実現できます。

 

○Wonder/不可思議(JU)
 (3)(U) クリーチャー−Incarnation 2/2
 Flying
 Wonderがあなたの墓地にあり、かつあなたが島をコントロールしているかぎり、あなたのコントロールするクリーチャーはFlyingを持つ。

 Incarnationの中でも、安直に強い1枚。なにしろマナコストを支払う必要もなく、全軍が飛行部隊です。カウンターすらできません。普通のクリーチャーデッキと青緑が対戦すると、ワームの6/6というサイズと、このWonderによる空爆で一方的な展開になることがしばしばです。

 

○Genesis/起源(JU)
 (4)(G) クリーチャー−Incarnation 4/4
 あなたのアップキープの開始時に、Genesisがあなたの墓地にある場合、あなたは(2)(G)を支払ってもよい。そうしたなら、あなたの墓地のクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。

 おそらく最もポテンシャルの高いIncarnation。単純に考えて毎ターン3マナで手札が補充できるという点のみならず、カウンターや除去を無視して無尽蔵にクリーチャーを供給できる手段は非常に危険です。

 

○Burning Wish/燃え立つ願い(JU)
 (1)(R) ソーサリー
 ゲーム外からあなたがオーナーであるソーサリー・カードを1枚選び、そのカードを公開して、あなたの手札に加える。Burning Wishをゲームから取り除く。
○Cunning Wish/狡猾な願い(JU)
 (2)(U) インスタント
 ゲーム外からあなたがオーナーであるインスタント・カードを1枚選び、そのカードを公開して、あなたの手札に加える。Cunning Wishをゲームから取り除く。
○Living Wish/生ける願い(JU)
 (1)(G) ソーサリー
 ゲーム外からあなたがオーナーであるクリーチャー・カードか土地カードを1枚選び、そのカードを公開して、あなたの手札に加える。Living Wishをゲームから取り除く。

 デッキ構築に革命をもたらしたWishシリーズ。Ring of Ma'ruf(AN)がもっと軽ければ、この革命も8年くらい早く起きていたのかもしれませんが。
 デュエル中に、必ず役に立つカードを引きたい。状況に最も適したカードを手に入れたい。逆に、その場で役に立たないカードは引きたくない。そういった全ての願いをWishは叶えます。

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